2015年 11月 21日
エヌテックから一番近い国宝
今日は私の好きな建物の話です。
エヌテックは、広島市西区大宮にありますが、ここから一番近い「国宝」は一体なんでしょうか?
宮島の厳島神社は有名ですが、もっと近い所に国宝がありました。
それは、東区牛田新町にある不動院金堂(ふどういん こんどう)です。
事務所から自転車で10分くらいの距離にあり、被爆してもなお存在し続ける貴重な建物です。
先日、ひろしまたてものがたり主催のイベントとして、不動院の見学ツアーがあったので参加してきました。
広島国際大学の藤田教授による解説付きで、約2時間をかけてじっくりツアーが開催されました。
まずは、不動院の顔である「楼門(ろうもん)」(重要文化財)を見学。
不動院は平安時代には創建されていたと推察されるそうですが、戦国時代の戦乱による焼失を経て、安国寺恵瓊(えけい)が再建した禅宗様建築と言われています。
この楼門の木材の一部には「朝鮮」との墨書があることから、恵瓊が朝鮮半島から持ち帰った木材を使って修繕を行ったとも伝えられているそうです。
見ていて興味深かったのは、1階と2階の屋根垂木の組み方が異なる点です。
おわかりになりますでしょうか?2階は放射状の「扇垂木」、1階は「平行垂木」となっています。
垂木の詳しい話はこちらをご覧下さい。(外部リンクに飛びます。)
おそらく、屋根の修繕を行った際に垂木の組み方も変えたのではないかとの事でした。
扇垂木は禅宗様建築の特徴のひとつですが、平行垂木も存在するのは大変興味深いです。
藤田教授のお話も大変盛り上がり、時間の都合もあり「鐘楼(しょうろう)」(重要文化財)はさらっと見学。
最後に、普段は立ち入り禁止の「金堂(こんどう)」の内部で解説が行われました。
ご覧の大空間に、しばし圧倒されました。
解説の中で面白かったのは、写真に見られる大きな梁の右側には、その梁を支えるはずの柱が無いという点です。
先生の表現をお伝えすると「禅宗様のバロック」だそうです。
確かにここに柱があると、一枚目の外観写真もまた違った印象に写りそうです。
当時の大工の大胆さを400年の時を経て実感することが出来ました。
この金堂、実は山口にあったものをこの地まで恵瓊(えけい)が移築したそうです。
移築と簡単に書きましたが、これを持ってくるなんて、恐るべき信仰心です。
そしてこの金堂は、現存する禅宗様建築の中でも最大規模のようで国宝に指定されるもの納得です。
事務所にお立ち寄りの際はぜひ、不動院へも足を運んでみて下さい。
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